顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
解説
単一細胞解析から空間トランスクリプトームへの展開
嶋 雄一
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2024 年 59 巻 2 号 p. 67-73

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抄録

遺伝子発現解析手法の発展により,解析の対象は組織・臓器レベルから単一細胞レベルへと移行した.これにより,個々の細胞における遺伝子発現パターンをもとに,組織中の細胞形質の不均一性や希少な細胞集団の存在を明らかにすることが可能となった.一方,単一細胞トランスクリプトーム解析では組織から細胞を乖離するため,組織における細胞の空間的位置情報は失われてしまう.そこで,細胞の位置情報を保持した状態で遺伝子発現解析を行う空間トランスクリプトーム解析が開発され,近年急速に普及している.空間トランスクリプトーム解析については文字通り日進月歩で技術開発が進んでおり,次々に新たな解析法が報告されている.そのため本稿では,本稿執筆時に確立されている解析法を原理によって大きく分類し,代表的な解析法について解説するとともに,実験の目的に応じて選択すべき解析法と,データ解析の大まかな流れについて述べることとする.

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