日本健康学会誌
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原著
Shopping behaviors and neighborhood food environment related to dietary intake among middle-aged and older people in Nagasaki City, Japan
Rieko NAKAOMayumi OHNISHIKazumi NATSUHARAChiho GOTOShingo ODANIKiyoshi TADOKOROShuji SUEYOSHIFumihiro YAGUMasahiro UMEZAKI
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2024 年 90 巻 1 号 p. 3-15

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抄録

目的:高齢者の食の貧困や低栄養の原因の一つであるフードデザート(FDs)に着目し,長崎市内の斜面市街地域や離島地域を含む異なる近隣居住環境における中高年住民の栄養摂取状況と買い物行動の関連を比較することである.

方法:長崎市内の4つの異なる特性をもつ近隣居住環境(斜面市街地域,新興住宅地域,旧市街地域,離島地域)の住民に自治会を通じて無記名自記式質問紙調査を実施した.調査項目は,基本属性と買物行動,徳留らが開発した食物摂取頻度調査(FFQ)を使用して算出した,総エネルギー,炭水化物,タンパク質,脂肪の摂取量であった.

結果:総数585人(斜面市街地域191人,新興住宅地域130人,旧市街地73人,離島地域191人)を分析対象とした.一人暮らしの者は,エネルギー(t-test, P=0.004),タンパク質(P=0.018),炭水化物(P=0.038),脂肪(P=0.001)の摂取が一人暮らしでない者と比較して有意に少なかった.一方,学歴が長い者は,エネルギー(One-way ANOVA, P=0.021)と脂肪(P=0.010)を多く摂取していた.近隣居住環境の違いでは,エネルギーと炭水化物,脂肪の摂取に違いが見られた(それぞれP=0.047;P=0.035;P=0.009).タンパク質と脂肪の摂取には,買い物頻度と食料品の配達サービスの利用が関連していた.多変量解析の結果,「旧市街地」であることは,基本属性や買い物行動に関連なく,タンパク質と脂肪の摂取が少ないことに関連を示した.

結論:中高年住民の栄養摂取には買物行動と近隣居住環境の違いが関連した.高齢者の栄養対策には,近隣居住環境を考慮した買物行動を容易にする環境整備が必要である.

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