日本健康教育学会誌
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高齢者の身体状況,体力,生活習慣,食生活状況および主観的健康感と生活満足度の関連
小西 史子孫 琳琳木村 靖夫
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2009 年 17 巻 1 号 p. 14-23

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抄録

目的:高齢者の身体状況,体力,生活習慣,食生活状況,主観的健康感,生活満足度の実態とそれらの関連を調べ,生活満足度に関わる因子を明らかにすることを目的とした.
方法:佐賀県の高齢者(男性91人,女性149人)を対象に,アンケート調査を行った.調査項目は下半身の痛み,体力,飲酒習慣,食習慣,主観的健康感および生活満足度であり,それらの関連を一元配置分散分析で調べた.生活満足度に関わる因子を明らかにするために,ロジスティック分析を用いた.
結果:女性の体力は男性に比べて有意に低かった.約50%の高齢者が下半身に痛みを抱えており,痛みがある人ほど主観的健康感は低かった.また体力が平均以上の人は平均以下の人に比べ,主観的健康感が有意に高かった.後期高齢者の食生活状況は前期高齢者のそれより有意に良好であった.また,食生活状況が平均以上の人は平均以下の人に比べ,有意に生活満足度が高かった.ロジスティック回帰分析の結果,生活満足度は主観的健康感{オッズ比1.66(95%信頼区間1.03―2.70)},飲酒習慣{オッズ比3,586(95%信頼区間1.29―9.80)}と関連を示した.
結論:生活満足度には主観的健康感と飲酒習慣が関連すること明らかになった.

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© 2009 日本健康教育学会
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