日本健康教育学会誌
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特集
韓国のヘルスプロモーション事業の現状と課題
南 銀祐
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2010 年 18 巻 4 号 p. 328-336

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抄録
本研究では,Capacity mappingツールを用いて,HP-Source.netに関する韓国のヘルスプロモーション事業の制度,組織,財政,保健教育従事者及び事業内容の最近動向と課題を分析することを目的とした.
韓国では,生活習慣病による死亡率及び罹患率を減らすために1995年に国民ヘルスプロモーション法が制定された.その後,韓国は,国民ヘルスプロモーション法に基づいてヘルスプロモーション基金を設立し,政府の保健福祉部と連携し,ヘルスプロモーション事業に必要な行政と財政を支援することになっている.2002年には,国家政策として国民ヘルスプロモーション総合計画(Health Plan 2010)を策定し,2004年からは「健康都市(Healthy City)」事業が始まった.また,これに関連する多くのプロジェクトも行われた.2010年,韓国では,初めて保健教育従事者(韓国名称:保健教育師)に対する国家資格試験を1~3までの等級に分けて行った.その結果18名(25.7%)が2級を取得し,2,246名(42.7%)が3級を取得できた.
今後,韓国ではHealth Impact Assessment(HIA)を実施することにより,ヘルスプロモーション事業の効果に関する根拠を検証することが必要であろう.それと同時に,新たなヘルスプロモーション事業への挑戦を続けていくことが重要である.
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© 2010 日本健康教育学会
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