日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
ISSN-L : 1340-2560
実践報告
退職男性の地域活動グループの育成とグループ活動の変化からみた活動推進要因
滝澤 寛子若林 佳子
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 21 巻 3 号 p. 236-244

詳細
抄録

目的:退職男性の地域活動グループを育成し,その活動経過からグループ活動の推進要因について検討した.
方法:55~65歳の男性を対象に,活動を通じて地域とのつながりを充実させていくことができるグループづくりを目指して,講座を企画し,2007年,2008年に実施した.活動場面への参加観察と,グループメンバーへの聞き取りによりグループ活動の経過を把握し,活動展開をまとめた.活動の発展過程から,グループ活動の推進要因を抽出した.
結果:継続して参加した者は,2007年が23名の申込み中19名,2008年が12名の申込み中12名,計31名だった.各年度の講座終了後,「このまま別れるのはもったいない」と参加者の中から声があがりグループが誕生した.グループ活動の経過から活動の推進要因として5つ抽出した.参加者側の要因として,「肩書きにこだわらず互いをよく知ること」「自分たちにできることへの挑戦とその成果の実感」「縛られない自由と楽しさ」の3点,活動方法に関する要因として,「さまざまな団体との交流や協働」「活動拠点があること」の2点を見出した.今後はいかにメンバーを確保するかがグループ活動の課題である.
結論:退職男性の地域活動グループを育成し,その活動経過からグループ活動の推進要因について検討した結果,5つの要因を抽出した.メンバーの確保が今後の課題である.

著者関連情報
© 2013 日本健康教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top