日本健康教育学会誌
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特別報告
子どものウェルビーイングとライフアセッツに関する研究の動向
中山 直子TRIPATHI Suriyadeo
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2014 年 22 巻 2 号 p. 162-170

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抄録

目的:第21回IUHPE世界会議(開催地;タイ・パタヤ)における,子どものwell-being,コミュニティ,life assets(生活(生命)資産)に焦点を当て,研究の動向を概観し報告することである.
方法:子どものwell-being,life assetsに関連する報告を基に,シンポジウム・ワークショップや一般口演における各報告の概要と特徴について,当日の報告,抄録の内容や関係する資料に基づきまとめ概観した.
結果:子どものwell-beingに関する発表や報告は多岐にわたった.今回注目したlife assetsプロジェクトは,48項目の知識ベースの評価指標を使用し,それらを5つのメイン要素に分けて青少年のポジティブな力に注目したプログラムとなっていた。継続的な調査では,1)青少年の保護要因としての個人と社会の評価を行うこと,2)コミュニティで利用できる資源を使ってlife assetsを構築する準備をすること,3)コミュニティの活動へ青少年を参加してもらい改善することが提案されていた。また,国家政策のもとに継続的にモニタリングしていくことの重要性が報告されていた.
まとめ:子どものwell-beingに関する研究は,家族ベース,学校ベース,地域ベースの取り組みで行われているものが多く,子どもとその保護者のみならず,国家政策のもとに,家族・学校・地域を核とした環境整備が必要であることが示唆された.

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© 2014 日本健康教育学会
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