2014 年 22 巻 2 号 p. 171-176
目的:今日,Non-communicable diseases(NCDs)は最も重要な健康課題の一つである.本報告では,第21回IUHPE世界会議の中での,1)NCDs対策への投資の現状(タイの事例),2)NCDs予防の実践と研究に関する動向,3)NCDsリサーチプラットフォームについてまとめ,わが国のNCDs対策への参考資料として活用されることを目的とした.
結果:1)ThaiHealth(タイヘルス)は,たばこ税と酒税を原資とし,毎年約100万ドルの予算規模でヘルスプロモーションに投資している.その中で,禁煙,アルコール対策,運動促進,健康リスク対策及び地域ヘルスプロモーションセンターの推進などNCDsに関連するプロジェクトが半分以上を占めている.2)ヘルスプロモーションにおいて個人または組織レベルでできる限り早い段階でのヘルシーリテラシーへの介入と測定方法の確立が重要である.3)研究協力プラットフォームは,人々の健康公平性を保つための,多施設多部門間の研究者と政策決定者と実践者間の有効な架け橋となる可能性がある.
まとめ:わが国のNCDsを克服する効果的で効率的な保健指導プログラムのためには,健康への継続的投資,社会的決定要因,健康行動理論のエビデンスの蓄積及びリサーチプラットフォームに注目すべきである.