日本健康教育学会誌
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実践報告
食事バランスガイドと行動科学を用いた栄養教育プログラムの実践
持田 久実冬賀 史織赤松 利恵市 育代藤原 葉子
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2016 年 24 巻 4 号 p. 231-238

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抄録

目的:食事バランスガイドは栄養教育で広く用いられているが,行動科学と組み合わせたプログラムの実践報告はない.本報告では,大学男子柔道部員を対象とした,食事バランスガイドと行動科学を用いた栄養教育プログラムの内容とその実践について報告する.
事業/活動内容:2015年7月から10月,全男子柔道部員24名を対象に,食生活改善のための栄養教育プログラムを実施した.栄養教室では,知識提供の教材として食事バランスガイドと,行動科学の1つである動機づけ面接法を用い,食生活改善に対する準備性を高め,実践を促すことに焦点をあてた.また,第2回栄養教室後には,各自で設定した目標の達成度についてセルフモニタリングをさせた.食生活に改善がみられたかを調べるため,事前事後に食事調査を実施した.プログラムの全項目に参加した19名(83%)を対象に,プロセス評価を行った.
事業/活動評価:栄養教室を実施した結果,食生活改善に対する準備性と食事知識が向上した.対象者の約9割が目標のセルフモニタリングを実施し,さらに,行動目標とした「1日の食事で副菜を2回以上かつ,牛乳・乳製品または果物を1回以上」とっている者の割合が増加した.
今後の課題:本プログラムを実施した結果,今後の課題として,継続的な個別指導を組み入れ,連続複数日の食事調査や準備性の調査を行う必要性があげられた.

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