日本健康教育学会誌
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実践報告
PDCAサイクルを取り入れた中学生への食育の試み
小島 麻子池田 尚子桑田 有中西 由季子
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キーワード: 食育, 中学生, PDCAサイクル, 評価
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2018 年 26 巻 3 号 p. 261-269

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抄録

目的:本研究では,中学生で不足しがちな鉄・カルシウム摂取を食育のテーマとし,学校現場でPDCAサイクルに基づいた食育や評価が可能であるのか,その実施可能性を検討することを目的とした.

活動内容:千葉県の公立F中学校全校生徒262名を対象者とし,日本健康教育学会栄養教育研究会が提案する「望ましい食習慣の形成を目指した学校における食育の評価」の方法におけるPDCAサイクルを取り入れ,各学年で1年間に1回の指導を行った.

活動評価:PDCAサイクルを取り入れ食育の目標や計画を系統立てて考えることで目標に対する実践が明確になり,計画的に食育を行うことができた.食育実践前後を比較し,鉄・カルシウムを多く含む食品を正しく選択できる生徒は,鉄について1年生26.2%,2年生15.6%,3年生20.9%,カルシウムについて1年生4.9%,2年生18.8%,3年生21.8%増加していた.「評価」を行うことで,職員会議や保護者への通信を通して,教職員及び保護者に食育の成果を明確に伝えることができた.

今後の課題:最小限の食育の授業時数の確保,及び食事調査を実施することにより,生徒の食生活実態を明確に捉え,生徒が自らの健康と食生活への意識を高め,行動改善・定着を目指した食育の評価検討を今後の課題としたい.

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