目的:健康な成人を対象としたインターネットを用いた減量介入における人的支援の有無や方法の違いによる減量効果への影響を明らかにする.
方法:文献検索にはPubMed,CINAHLおよび医学中央雑誌を用いた.検索語には,「weight-loss」「web」「internet」「randomized controlled trials」等を用いた.選択基準(無作為化比較試験,アウトカムに体重を含む等)と除外基準(減量後の体重維持,食品や薬の効果等)に基づき論文を選択した.
結果:検索された216編から17編を採択した.インターネットのみを提供した群と人的支援を付加した群を比較した研究7編のうち5編は,人的支援の効果が報告されていた.人的支援の手段の違いを比較した研究は4編で,遠隔支援と対面支援の減量効果には違いがないことが報告されていた.その他,人的支援の内容の違いを比較した研究は2編,人的支援の期間の違いを比較した研究は1編,人的支援の頻度と手段の違いを比較した研究は1編,人的支援とその他の支援方法を比較した研究は2編であった.これら17編において実施されたインターネットと人的支援を併用した減量介入の体重減少量は,最少 1.5 kg(3か月間),最大 8.8 kg(6か月間)であった.
結論:インターネットに人的支援を付加することで減量効果が高まる可能性,および人的支援の手段として対面と遠隔による減量効果に違いがない可能性があることが示唆された.しかし,人的支援の内容・期間・頻度の違いによる減量効果に関する結論を出すことは難しく,今後の検証が必要である.
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