2024 年 32 巻 3 号 p. 220-225
背景:国外では,食品・料理の加工度に基づき,加工食品を分類するNOVAシステムが提案され,加工食品の利用と食物摂取状況や健康状態との関連が検討されている.こうした世界の動向を踏まえ,著者はNOVAシステムに基づき日本人の食事を分類し,栄養素等摂取状況や健康状態との関連等を明らかにしてきた.本稿では,これまでの研究結果を踏まえた今後の研究課題並びに健康教育とヘルスプロモーションへの展開について考察する.
内容:NOVAシステムのうち,最も加工度が高いultra-processed foods(以下,UPF)に該当する市販弁当,惣菜等,すぐに食べられるように調理加工された食品の利用が多いことは,日本人でも,望ましくない栄養素等摂取状況と肥満に関連する可能性が示唆された.減塩対策を検討する上で,食塩摂取源の視点に家庭内由来・家庭外由来の視点を取り入れること,男性では中食への減塩対策が必要であることが示唆された.食塩摂取源の把握に,NOVAシステムが活用できる可能性が示された.
まとめ:手づくりの食事と組わせてUPFが健康的に活用されるには,健康教育と健康に配慮されたUPFが入手できる食環境づくりの両方が必要である.そのために自ら研究活動を継続し,UPFも含め健康増進につながる食環境づくり等の栄養政策に携わり,環境づくりを目的とした研究がより進むよう研究活動の支援も行っていきたい.