日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
当診療所の臨床試験に応募した健常ボランティアの臨床検査値
新井 俊彦
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 10 巻 1 号 p. 32-36

詳細
抄録

健常な日本人男性と云う条件で当所の医薬品治験に応募したボランティアはほとんどが20代の若者であった。事前健康診査に合格した者(再検合格者も含む)は当所の検査基準値で選考されたのであるから,この検査値で計算された基準値は当所の採用している基準値内にあることは当然であるが,基準値外となる5%の者の検査値には,その性質から生理的に変動が大きく,再検で回復するものではあるが,CPK,アルカリホスファターゼ,総ビリルビン,γ-GTPなどではかなり大きな逸脱が見られた。これらの傾向から推測されることは,激しい運動をすることや食欲があることが健康の指標と考える若者の生活が伺えた。各検査の検査値の相関関係からも,この逸脱が病的変化によるものではなく,若者が健康な生活と考える生活によるものであることが示唆された。従って,あまり過剰な逸脱は問題であろうが,ある程度の逸脱は生理的変動と考えても良いものと思われた。

著者関連情報
© 2001 日本健康医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top