日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
高齢者の体重管理と生活習慣病に関する縦断的研究 : 体重増減による高脂血症の変化
桂 敏樹松田 一美山崎 真理星野 明子
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2006 年 15 巻 2 号 p. 33-40

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抄録

高齢男女2万人を対象に血清脂質有所見率の変化と関連する1年間の体重変動量を検討するために前向きコホート研究を行った。高齢男性をみると,中性脂肪は1年間1kg以上の体重増加で有所見率が悪化し2kg以上の体重増加で総コレステロール有所見率が悪化した。一方,中性脂肪,総コレステロールは1kg以上の体重減少で有所見率は改善した。この傾向は中性脂肪が総コレステロールよりも顕著であった。高齢女性では1kg以上の体重減少によって中性脂肪の有所見率が有意に低下したが体重増加による有所見率の上昇はなかった。また,3kg以上の体重減少で総コレステロールの有所見率が減少し,2kg以上の増加で有所見率が上昇した。HDLコレステロールは男性で体重が1kg以上増加すると有所見率が有意に上昇した以外は,男女とも体重増減による有所見率の有意な変化はなかった。

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© 2006 日本健康医学会
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