本研究の目的は,精神科病院内で活躍するリーダーを外部講師によって育成する「精神科看護師のリーダー育成プログラム」の効果と課題を明らかにすることである。外部講師による30コマの講義・演習および課題レポートによって構成される育成プログラムを受講した精神科看護師6名のうち同意を全員から得られ,その6名を対象に半構造化面接を行い,面接内容を質的帰納的に分析した。その結果,面接内容は,4つのカテゴリ(《新鮮な学び》,《学習意欲の向上》,《新たな知識・技術習得による自信》,《自立して活動する不安》)によって構成されると判断した。前の3つはプログラムの効果を意味するものであり,精神科看護師は,外部講師による教育から《新鮮な学び》を感じて,《学習意欲の向上》が生じ,《新たな知識・技術習得による自信》が得られていると考えられた。4番目のカテゴリは,精神科看護師に《自立して活動する不安》があることを示しており,このことに対する支援がプログラムの今後の課題と判断した。