日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
原著
変異体米の炊飯米およびデンプン糊液の性状比較
峰村 貴央松森 慎悟阿久澤 さゆり
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 29 巻 4 号 p. 425-433

詳細
抄録

本研究の目的は,日本晴れを親にした3種の澱粉合成酵素を働かないようにした変異体米(SSI,SSIIIa,PUL)の炊飯米と米デンプンの特性を比較し,機能性食材としての検討をすることである.炊飯米の形状は,日本晴れ,SSI,PULは丸いジャポニカ種に似た形状で,その破断特性は,はっきりとした破断点を示さない脆性破断であった.一方,SSIIIaは,インディカ種のように長い形状であり,明確な破断点を示す炊飯米で,異なる特性であることが示された.SSIIIaのデンプン糊液は,水のように粘弾性の極めて低い糊液で,まったく異なる性状であった.この特性は,低粘度の機能性米として,粥や低粘度の流動食として利用できると考えられた.

著者関連情報
© 2021 日本健康医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top