日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
資料
血圧に対するナトリウムとカリウムの作用に関する妊婦の認識調査
前川 麻記齋藤 祥乃竹内 利永子
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 31 巻 1 号 p. 90-94

詳細
抄録

妊婦の血圧に対するナトリウムとカリウムの作用に関する認識を明らかにする目的で,妊婦健診を受診した妊婦230名を対象に,無記名自記式質問紙調査を実施した。有効な回答を寄せた110名について解析したところ,ナトリウムの作用について「知っている」者は61名(55.6%),カリウムの作用について「知っている」者は16名(14.5%)であり,ナトリウムとカリウムの作用に関する認識について有意な差が認められた(p=0.009)。ナトリウムの身体に及ぼす影響については「高血圧になる」,「浮腫が生じる」と認識するものが多く,カリウムの身体に及ぼす影響については「腎臓に負担がかかる」,「心臓に負担がかかる」,「浮腫を軽減する」が認識されていた。ナトリウムに比べカリウムの作用を認識していた妊婦が少なかったことから,高血圧の予防としてカリウムの効果を認識できるような指導方法の検討が必要であることが示唆された。

著者関連情報
© 2022 日本健康医学会
前の記事
feedback
Top