日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
原著(質的研究)
在宅重症心身障害児・者の親が介護力を低下する前に訪問看護師が行う支援内容の明確化
日比野 直子久保 恭子野呂 千鶴子
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2024 年 32 巻 4 号 p. 463-469

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抄録

在宅重症心身障害児・者(重症児・者)の親が介護力低下をきたす前までに,訪問看護師が行う支援内容の明確化を図ることを目的として,訪問看護師4名に,インタビューガイドを用いた個別面接を行った。発言内容を逐語化,質的データ分析法を用いて分析し,支援に関する内容を「重症児・者と親の不安な思い」,「専門職や機関との連携力」,「地域資源の活用」,「社会と時代の変化に伴う課題」,「重症児・者と家族のライフヒストリー」という5つのカテゴリに集約した。

訪問看護師は,重症児・者と親の不安な思いを捉えることと,相談支援専門員や保健師との連携が不安定なことから重症児・者や家族が必要な専門職や機関とつながる力をもつ関わりが必要である。また,重症児・者が地域で自律して地域資源の活用で社会生活ができるようにするための工夫と看看連携を促進させることが必要である。さらに訪問看護師は,社会と時代の変化に伴い課題に立ち向かうとともに,親亡き後の重症児・者の人生が希望するものとなるよう重症児・者と家族のライフヒストリーを捉え共に歩むことが必要である。

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