抄録
光照射によってタンパク質の活性(機能性)を制御することを目的に、光機能性タンパク質の創製を試みた。DNA制限酵素BamHIはLys132の側鎖アミノ基とGlu167、Glu170の側鎖カルボキシル基間で水素結合により二量体を形成し、DNAを位置選択的に加水分解する活性を示す。そこで、Lys132の側鎖アミノ基をNVOC (6-nitroveratryloxycarbonyl) 基で修飾して、上述の水素結合の形成を阻害させ、BamHIを失活させておく。365 nmの光照射によりNVOC基を脱離させて上述の水素結合の形成が可能で、二量体を形成し酵素活性を示すことに成功した。