抄録
これまで、当研究室は酸素原子を配位原子としたアントラセン骨格を有する超原子価5配位炭素及びホウ素化合物の合成と単離に成功した。さらに、配位原子が中心原子により近づくことを期待して七員環を縮環させた新規三座配位子1を開発し、超原子価炭素化合物の合成にも成功している。
本研究では1のさらなる応用として、SCS、SeCSeおよびPCP pincer型のパラジウム錯体を合成し、アリルスズ試薬とアルデヒドを用いた触媒的アリル化反応においてその触媒活性を評価した。また、この触媒的アリル化反応の反応中間体をNMRにて観測した。