主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
既に我々は、かさ高い置換基であるTbt基を用いた速度論的安定化の手法により数々の含高周期14族元素芳香族化合物の合成・単離に成功している。今回、含高周期14族元素芳香族化合物の反応性の検証を目的として、14π電子系芳香族化合物である9-シラ-および9-ゲルマ-フェナントレン1および2と種々の反応試剤との反応を行い、その反応性について検討した。1および2と[Cr(CH3CN)3(CO)3]との反応では、それぞれ錯体3および4を得たが、その他の異性体の発生を示唆する結果は得られなかった。錯体3、4の構造は各種スペクトル測定、X線結晶構造解析により明らかにした。また、2とケトンやアルケン等の小分子との反応も検討したので併せて報告する。