我々は置換基を導入したアントラセン、テトラセン、ペンタセンを合成しその固体状態での光物性を調査している。置換基がアルキル基の場合はアルキル鎖長のコンホメーション変化とそれに伴う固体状態での分子配列の劇的な変化から光物性が大きく変動することを見出した。これまで固体の蛍光スペクトルを中心に測定を行っていたが、微粉末状態での拡散反射スペクトルを測定するとそのクベルカ-ムンク変換から吸収スペクトルに換算したデータが得られることがわかった。同じπ骨格だと基本となるスペクトルの波長は類似していたが分子間相互作用由来と考えられる最長波長バンドがそれぞれ異なることを見出した。