抄録
電子イオン化により生じる分子イオンやフラグメントイオンをプリカーサーイオンに選択し、その単分子イオン分解を4セクタータンデム質量分析計の第3自由空間でのメタステーブル分解時間軸の構造と反応性について検討した。N-(オメガ-フェニルアシル)シクロアルカン-2-オン骨格のアミド結合開裂に際しての(多重)水素転位を見出してきたが、今回は、転位水素供給部位のアシル鎖長(スペーサ)の役割に注目して、3-フェニルプロピオニル系で見られた異常なフラグメントイオンについて様々なラクタム類と比較し報告する。