主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
シュミット反応は,置換基の構造によって転位だけでなく断片化反応も起こると予想される。本研究では,生成物の切り替わりがどのようにして生じるのかを明らかにするために,置換ベンジルメチルケトンのシュミット反応の経路をMOならびにMD計算によって解析した。MO計算では,置換基が電子供与性になるにつれて転位から断片化へと単一のTSを経て機構が変化した。転位と断片化の境界付近の反応においては,共通のTSから二種類の生成物を与えることがMD計算によって明らかにされた。また,転位と断片化の割合は,置換基の電子的性質によって変化した。MO計算とMD計算の結果を比較し,本反応のメカニズムを総合的に検討する。