抄録
シクロデキストリン(CD)は空洞内に様々な有機化合物を包接し、安定な包接錯体を形成することがよく知られている。β-CDの水酸基の一部をメチル化したheptakis-(2,6-di-O-methyl)- β-CD(DM-β-CD)はβ-CDよりも水・有機溶媒に対して高い溶解性を示し、その応用範囲は広い。今回は、DM-β-CDの高圧下での包接化合物形成について調べた。6-SO3--スピロピランの異性化速度を測定することにより、可視領域に吸収を持たない、いくつかの4-置換フェノール類とDM-β-CDとの包接化合物生成定数を見積もることができた。包接化合物形成の圧力依存より包接過程にともなう体積変化を見積もり、DM-β-CDの包接挙動を体積変化の観点から詳細に検討した。