共催: 日本化学会, 日本化学会九州支部, 有機合成化学協会(協賛)
シクロヘキセニルヨードニウム塩とシアン化物塩との反応をクロロホルム中で行ったところ、ビニルまたはアリル位でシアンが置換した生成物が得られた。シクロペンテニルヨードニウム塩と酢酸塩との組み合わせでも、同様の生成物が得られた。重水素標識実験の結果、求核剤がヨードニオ基のベータ位にマイケル付加し、生成したカルベンが1,2-ヒドリド移動してアリル置換体に至ると考えられる。これらの生成物分析に加え反応速度および速度論的同位体効果の結果を用いて反応機構の詳細に検討し、従来のヨードニウム塩への求核置換反応との差異を議論する。