抄録
光照射によりNOを発生すると期待されるp-アジド-N-メチル-N-ニトロソアニリン(1)の光分解過程を室温溶液中,および極低温マトリックス中で調べた。ポルフィリンコバルト錯体存在下,1のベンゼン溶液に>350 nmの光を照射して,紫外可視吸収スペクトルを測定したところ,ポルフィリンコバルト錯体にNOが配位した化合物に由来する吸収が観測された。一方,10 KでArマトリックス中に1を単離し,366 nmの光を照射し赤外吸収スペクトルを用いて反応を追跡したところ,1に由来する吸収が減少し,新たな吸収が現れた。この吸収はNOおよびp-ベンゾキノンジイミンラジカルに由来するものと推定している。