抄録
チアゾリウム塩を触媒,アゾベンゼンを酸化剤とする酸化的チオールエステル生成反応の擬一次反応速度定数とその置換基効果を,1H-NMRを用いて調べた。p-置換ベンズアルデヒドを基質としたときに得られた反応速度定数のハメットプロットは曲線を描いた。さらに,ベンズアルデヒドの置換基によって,4,4'-二置換アゾベンゼンによる置換基効果の受け方が異なった結果を得た。これらの結果を総合することにより,ベンズアルデヒドの置換基の電子吸引性が高まるに従い,反応の律速段階が,触媒によるアルデヒドカルボニル炭素への求核攻撃から,酸化反応へとシフトしていることが結論づけられた。