北日本病害虫研究会報
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セルリー斑点病に対する薬剤の効果と斑点病菌のチオファネートメチル水和剤に対する感受性
角野 晶大白井 佳代
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2009 年 2009 巻 60 号 p. 77-81

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抄録

発病の多いハウス抑制作型において,セルリー斑点病に対して薬剤を7 日間隔で散布したところ,薬剤により効果に違いがあり,カスガマイシン・銅水和剤,ポリカーバメート水和剤,アゾキシストロビン水和剤,ジフェノコナゾール水和剤は高い効果が,また,TPN 水和剤とノニルフェノールスルホン酸銅水和剤は,前者4薬剤と比較するとやや劣るが十分な効果が認められた.これら薬剤を14 日および21 日間隔で散布したところ,いずれも散布間隔が長くなるにつれ効果は低下したが,卓効を示す前者4 薬剤では,14 日間隔散布でも後者2 薬剤の7 日間隔散布と同程度の十分な効果が認められた.薬剤の特性に合わせた間隔で散布することで,本病に対する薬剤散布回数を削減できる可能性が示唆された.一方,チオファネートメチル水和剤は7 日間隔散布で全く効果が認められなかった.道内主要産地より採取した本病原菌176 菌株の全てが,チオファネートメチル水和剤に対して高度耐性を示した.

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© 2009 北日本病害虫研究会
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