北日本病害虫研究会報
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北海道におけるGlomerella cingulataColletotrichum gloeosporioidesによるイチゴ炭疽病の発生
角野 晶大新村 昭憲成松 靖松井 梨絵西村 俊一
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2009 年 2009 巻 60 号 p. 82-87

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抄録

2007 年7 月上旬に北海道空知支庁管内栗山町の露地栽培,同年9 月下旬に同管内由仁町のハウス栽培のイチゴで株全体が萎凋する症状が発生した.クラウンを切断するとクラウンの外側から内側に向かって褐変しており,病変部からは単一の糸状菌が分離された.分離菌を接種すると原病徴が再現され,接種菌が再分離された.分離菌の培地上での形状,無性器官の形状,有性器官の形状,生育適温,ベノミルとジエトフェンカルブ添加培地上での生育率およびColletotrichum gloeosporioides の特異的プライマーによるPCR 解析の結果などから,本病をGlomerella cingulata(Stoneman)Spaulding & Schrenk(C. gloeosporioides(Penzig)Penzig & Saccardo)によるイチゴ炭疽病と同定した.北海道における本菌による本病の発生は初めてである.

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© 2009 北日本病害虫研究会
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