2009 年 2009 巻 60 号 p. 88-91
宮城県内のキュウリ栽培10 圃場から採取したキュウリ褐斑病菌について数種類の薬剤に対する感受性を検定したところ,県内にはチオファネートメチル剤,ジエトフェンカルブ剤,ボスカリド剤,ストロビルリン系薬剤に対して感受性の低下が認められ,耐性菌が分布していることが示唆された.チオファネートメチル剤とジエトフェンカルブ剤に対する耐性菌はいずれも最小生育阻止濃度が100ppm 以上の高度耐性菌であったものの,両剤に耐性を示す菌は確認されず,負の交差耐性が認められた.また,プロシミドン剤に対する耐性菌は確認されなかったことから,ジエトフェンカルブ・チオファネートメチル剤,ジエトフェンカルブ・プロシミドン剤は褐斑病菌に効果があると推察された.ボスカリド剤については,一部の地域でのみ耐性菌が確認され,その地域では分離菌株すべてが耐性菌の圃場も認められた.ストロビルリン系剤については,検定したすべての圃場で耐性菌が確認された.