2011 年 2011 巻 62 号 p. 130-133
本研究では,ダイズにおけるウコンノメイガの要防除水準の設定を試みた.ダイズ栽培の粗収益に対する薬剤費の割合から被害許容水準を収量の5.7%とした.本虫によるダイズの葉巻は7 月下旬から認められ,多発年では8 月10 日頃が盛期となった.この盛期の茎当たり葉巻数が10 個を超えると,減収率が被害許容水準である5.7%以上になると考えられた.防除適期とされている7 月6 半旬と8 月10 日頃の葉巻数の間には有意な正の相関が認められ,7 月6 半旬の茎当たり葉巻数が1.3 個を上回ると,8 月10 日頃の茎当たり葉巻数の90%信頼区間の上限が10 個を上回った.そのため,7 月6 半旬の葉巻数1.3 個/茎を要防除水準と設定した.