2012 年 2012 巻 63 号 p. 110-114
2010 年9 月に青森県平川市の現地リンゴ園において,主枝が衰弱し,主枝から発出した新梢では葉が裏側に湾曲して葉巻症状を呈する樹がみつかった.発生樹はいずれも地表面に露出した根部が大きく損傷し,一部は腐朽していた.腐朽組織上にみられた灰色パッチ状の菌塊にはジグザグ状に伸びる分生子形成細胞とそこからシンポジオ型に形成される分生子が観察された.腐朽組織からはPDA 培地上で白色,菊花状の菌叢を示す菌が高率に分離され,この菌をリンゴ樹に接種すると,病徴が再現され,接種菌が再分離された.腐朽組織における分生子柄・分生子の形状および形成様式,さらに分離菌の菌叢性状から,本病をGeniculosporium sp. によるリンゴ葉巻萎縮病(Apple Leaf-roll Dwarf)と同定した.青森県における本病の発生確認は初めてである.