北日本病害虫研究会報
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食酢および酸性水を利用したリンゴ有機栽培における病害発生状況
伊藤 大雄上原子 毅二ツ森 祐里泉 荘
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2012 年 2012 巻 63 号 p. 115-120

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抄録

殺菌効果のある代替防除資材として食酢あるいは酸性水のみを年間14 回散布する防除体系の下で,リンゴの有機栽培を2年間実施し,各種病害の発病程度と,果実収量ならびに果実品質への影響を調査した.食酢のみを散布した試験区(食酢区)では,毎年黒星病,褐斑病,すす斑病ならびにすす点病が多発し,試験終了翌年も高い発病率を示した.一方,酸性水のみを散布した試験区(酸性水区)では,上記4 病害の発病率や落葉率が食酢区より有意に低いか,少なくとも同等に維持されたことから,酸性水は食酢より有効な防除資材であると考えられた.しかし,酸性水区でも年次によって褐斑病やすす斑病が多発した.以上のことから,食酢,酸性水のいずれも単剤連用の防除体系は実用的でなく,他の資材の併用や散布回数増加を検討する必要があると考えられた.食酢区,酸性水区のいずれにおいても,慣行栽培に比べて頂芽花芽率が低下し,果実収量,平均1果重ならびに糖度も低い傾向にあった.

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© 2012 北日本病害虫研究会
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