北日本病害虫研究会報
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インゲンマメゾウムシの産卵対象となるインゲンマメ莢成熟ステージと茎葉散布による防除適期
三宅 規文小野寺 鶴将岩崎 暁生
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2016 年 2016 巻 67 号 p. 150-153

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抄録

インゲンマメ子実に寄生するインゲンマメゾウムシの被害を軽減する目的で,インゲンマメ圃場で殺虫剤散布する場合の防除適期を検討した.インゲンマメ圃場に飛来した雌成虫が莢縫合部を穿孔して産卵する時期は,莢全体が成熟により白化した以降であった.また,ふ化幼虫の子実への侵入・成育は莢が未熟である緑色の時期から可能であったことから,自然条件下において成虫の産卵および孵化幼虫の成育が可能となる莢の時期は,莢全体が白化する時期以降であると考えられた.インゲンマメの開花期以降にクロチアニジン水溶剤の2 回散布を時期別に実施した結果,8 月下旬頃に散布した処理区で寄生粒率が最も低くなった.また,同時期の試験圃場における莢の状態は莢全体が白化した個体が確認される時期と一致した.これらの結果から,インゲンマメに発生するインゲンマメゾウムシの被害を圃場で効率的に抑制するためには,インゲンマメ圃場で莢全体が白化する個体が散見される時期以降に殺虫剤を茎葉散布することが適切であると考えられた.

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