北日本病害虫研究会報
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モモアカアブラムシに抵抗性を示すテンサイ遺伝資源の探索の試み
豊島 真吾髙篠 賢二黒田 洋輔
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2017 年 2017 巻 68 号 p. 199-202

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抄録

モモアカアブラムシ(GPA)により媒介されるビート西部萎黄ウィルス(BWYV)を原因とするテンサイ西部萎黄病の対策として,BWYVおよびGPAに抵抗性を示す品種の導入が期待されている.しかし,GPA抵抗性系統の探索は試みられたことがなく,育成候補を選抜するための検定法がない.そこで,一般的な栽培品種およびBWYV抵抗性候補系統を含む5品種15系統でGPAの発育・増殖特性を調査し,多数の遺伝資源を検定する方法(1次選抜法)を検討した.室内実験で得られたGPA増加率には品種系統間に差異が検出され,「アンジー」,CR951-210, NK-184 mm-Oは,NK-195BRmm-Oなど9品種系統に比べて増加率が有意に小さかった(Tukey–KramerのHSD検定,p<0.05).網室実験で得られたGPA増加率には品種系統間に差異は検出されなかったが(Kruskal–Walllisの検定,p>0.05),網室実験の品種系統ごとの増加率と室内実験のそれとの間には正の相関関係が検出された(r=0.59, p<0.05).供試した品種系統群の増加率の分布下限を検定の閾値に設定すれば,質的抵抗性形質を有する系統の選抜が期待される.

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© 2017 北日本病害虫研究会
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