2020 年 2020 巻 71 号 p. 69-73
東北地域の春まきタマネギ栽培ではBurkholderia cepacia complex細菌を主因とするりん茎の腐敗が問題となっている.栽培現場ではすでに各種細菌病に対する殺菌剤(細菌防除剤)が散布されているが,これらのりん茎腐敗に対する効果は明確ではない.そこで,殺虫剤と細菌防除剤の組合せが腐敗と収量に及ぼす影響について,2018~2019年の2ヵ年検討した.
殺虫剤によるネギアザミウマ防除と細菌防除剤を併用した場合は腐敗球率が低下したこと,細菌防除剤単独では効果が低い事例が確認されたことから,細菌防除剤のりん茎腐敗に対する防除効果を得るためには殺虫剤によるネギアザミウマ防除が必須と考えられた.なお,細菌防除剤の種類や散布時期には収量確保の観点から今後検討する必要がある.