2020 年 2020 巻 71 号 p. 97-99
新規系統剤を含めた斑点米カメムシ類に適用登録を持つ6剤の残効性を検討するため,アカヒゲホソミドリカスミカメTrigonotylus caelestialiumとアカスジカスミカメStenotus rubrovittatusの室内放飼試験及び圃場に網枠を設置し薬剤処理7日後にアカスジカスミカメを放飼する試験を行った.室内での薬剤散布後日数を変えた殺虫効果から,約2週間の殺虫効果が見込めるのはジノテフラン水溶剤のみであった.また,カスミカメ2種に対する殺虫効果に薬剤による特性の違いが見られ,エチプロール水和剤とスルホキサフロル水和剤は薬剤処理7日後にはアカスジカスミカメに対する殺虫効果が低下し,クロチアニジン水溶剤は薬剤処理翌日からアカスジカスミカメに対する殺虫効果が低いことが示唆された.圃場試験で斑点米混入率が対無処理比50以下となったのはジノテフラン水溶剤,エチプロール水和剤,スルホキサフロル水和剤の3剤であった.