抄録
宇宙航空研究開発機構(JAXA)のD-SENDプロジェクトでは,低ブーム設計概念を適用して設計・開発した試験機を成層圏気球から落下,飛行させて低ブーム設計概念を実証する第2フェーズ(D-SEND#2)試験を2013年と2015年に実施した.2013年の試験は試験機に飛行異常が発生して目標地点に到達しなかったが,2015年には正常に飛行させて,低ソニックブーム波形を計測することに成功した.特集の第3回として,本稿ではD-SEND#2機体システムの開発の概要を述べる.開発に当たって,JAXAが蓄積してきた無人実験機の技術を最大限に活用することで,短期間,低コストでの開発を実現することができた.