抄録
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を使用し,東日本大震災において通信途絶した災害対策本部と被災地の現地対策本部との間にテレビ会議やインターネット通信環境等の非常時情報伝達手段を提供した.その活動で災害医療関係における非常時情報伝達手段のニーズが非常に高いことを認識した.震災後JAXAは災害医療センター・DMAT事務局や日本医師会と,大規模災害時の災害医療における「きずな」防災利用実証実験に関する協定を結び,高速通信衛星の災害医療への適合性等を検討してきた.その考え方や成果,今後の課題について示す.