2017 年 65 巻 10 号 p. 321-325
軌道上にてロケットのフェアリングよりも大きなアンテナが必要となる場合,宇宙用の展開アンテナが解の一つとなり得る.その中でも反射鏡タイプの展開アンテナは,フェーズドアレイ等のアンテナと比べ軽量となることから,高い利得を必要とされる場合に用いられる傾向がある.このため,これまでは特に高い利得が要求される静止通信衛星等に,展開反射鏡が用いられてきた.近年,地球観測分野で展開反射鏡が注目され始めており,衛星搭載用の合成開口レーダ等に用いられるようになってきた.大口径化,高精度化の研究も活発になってきている.本稿では,展開反射鏡のこれまでの技術とミッションの概要,及び最新の研究を紹介するとともに,展開反射鏡の地球観測分野での利用状況を概説する.