日本航空宇宙学会誌
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特集 小型推進系が切り拓く超小型衛星の未来 第9回
真空アーク推進機(VAT-pi2)の鳳龍四号における軌道上実証
豊田 和弘アゲエバ カテリーナ村上 弥生福田 大清水 達夫鳳龍四号開発チーム趙 孟佑
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2019 年 67 巻 5 号 p. 158-160

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抄録

キューブサットなどの超小型衛星はその大きさから推進機を搭載することは難しいが,搭載できればミッションの幅が大きく広がる.また,宇宙ゴミにならないように25年以内にデオービットすることもルール化された.このような背景から固体推進剤を用いた真空アーク推進機(VAT-pi2)の開発を行ってきた.陰極である導電性の固体推進剤,陽極,コンデンサおよび電源からなる真空アーク推進機はその簡単な構造から小型化できロバストである.また低地球軌道に存在するプラズマと干渉することで点火装置なしで自発放電をすることが可能である.今回VAT-pi2の軌道上での動作試験を超小型衛星「鳳龍四号」で行った.300V発電太陽電池を電源として動作させている.また放電電流を計測できるオシロスコープを搭載しており,同時に放電の様子を撮影できるカメラも搭載されている.軌道上での実験の結果,VAT-pi2の放電を確認することができた.放電波形および放電画像の取得は引き続き行っていく.

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© 2019 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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