2020 年 68 巻 12 号 p. 352-357
空港周辺での騒音被害を減らすために,着陸進入時の機体空力騒音の低減が重要な課題となっている.FQUROHプロジェクトでは過去2 度にわたってJAXA実験用航空機「飛翔」の低騒音化改造を行い,航空法第11条ただし書きに基づいて国土交通省航空局より飛行許可を取得し,飛行実証試験を実施してきた.本稿では,飛行実証試験に至るまでの「飛翔」低騒音化改造のプロセスを説明し,その過程での考え方,空力データの取得の仕方,空力データを用いた飛行性能解析,ならびに飛行性能確認試験について紹介する.改造の飛行性能への影響解析を通して,改造後の機体搭載燃料重量の調整により飛行に問題がないことを示した.また,改造後の機体の飛行性能をパイロットにより評価する飛行試験も実施し,問題がないことを確認した上で,騒音源計測のための飛行実証試験へと臨んだ.