2020 年 68 巻 4 号 p. 101-106
本稿では,観測ロケットベースの超小型衛星打上げ機による地球周回楕円軌道への軌道投入について,その飛行計画について概説する.本打上げ機による目標軌道は,遠地点高度約1,800 km,近地点高度約180 kmであり,近地点高度が低いために期待される軌道寿命は短い.飛行計画に対するミッション要求の一つとして,軌道寿命30日以上の軌道に衛星を投入することが挙げられる.機体誤差源や飛行環境の誤差が達成される軌道に対して大きく影響するため,これらの誤差が十分に小さくなるように管理しなければならない.ここでは観測ロケットをベースにして,どのように超小型衛星打上げ機としての要求を満足する軌道計画を立案したか,およびノミナル軌道に対する飛行分散や飛行安全に対する解析結果を示す.また飛行結果およびポストフライト解析を示し,将来的な能力向上の一案を紹介する.