2025 年 73 巻 4 号 p. 117-123
技術試験衛星9号機(Engineering Test Satellite-9: ETS-9)では,通信衛星市場から要求される通信コスト低減及び通信ペイロードのフレキシビリティへ対応するために,フルデジタル通信ペイロードとそのペイロードを搭載可能とする衛星バスの開発を行う計画である.これらのバス及び通信ペイロードは従来衛星に比べて発熱量が増大するため,バス及び通信ペイロードの変更に対応した熱制御技術の開発が必要となっている.バスに関しては,発熱量増大に対応するために,従来熱制御技術の改良として,ヒートパイプ,展開ラジエータ及びヒートパイプ連結を開発することにした.通信ペイロードに関しては,発熱量増大に加えて,機器搭載位置が放熱面から非放熱面へと変更されるため,従来熱制御技術では対応困難であり,新規熱制御技術として,アクティブ熱制御システム(Active Thermal Control System: ATCS)を開発することとした.本稿では,詳細設計結果を元に熱制御系の開発内容について述べる.