抄録
【背景と目的】 癌の外科療法の際, センチネルリンパ節を検討することによる縮小手術が望まれている. そこで, 口腔癌においてもセンチネルリンパ節理論が適応できるかを検証した. 【対象と方法】 2002年4月から2003年7月に, 群馬大学歯科口腔外科・歯科で治療した口腔扁平上皮癌症例7例を対象とした. 99mTc標識フチン酸をトレーサーとし, 術前リンパ節シンチグラフィーおよび術中ナビゲーションによるセンチネルリンパ節の同定, 頸部郭清材料から得られたリンパ節の病理組織学的および核医学的検討を行った. 【結果】 7例全例で顎下リンパ節, うち3例は頸部リンパ節もセンチネルリンパ節と同定された. 3例でセンチネルリンパ節は転移陽性であり, うち1例は下流のリンパ節にも転移を認め, 別の1例では郭清範囲より下流に後発転移を生じた. 【結語】 本法によるセンチネルリンパ節の検出は可能であり, 口腔癌においてもセンチネルリンパ節理論が成り立つことが示唆された.