北関東医学
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原著
介護通所施設利用者における口腔機能低下予防体操の効果(2)
- 通所施設利用者の口腔内状況,口腔衛生および口腔機能 -
橋本 由利子高橋 美砂子
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2009 年 60 巻 1 号 p. 9-15

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抄録
【目 的】 口腔機能の向上が通所施設利用者にどのような影響があるかを明らかにする. その事前調査の中から利用者の口腔内状況, 口腔衛生, 口腔機能とそれらの関連性を考察する. 【対象と方法】 自分で歯磨きをし, 聞き取り調査に答えられる通所施設利用者34名を対象に現在歯数, 口腔清掃状態, 口腔機能等を調査した. 【結 果】 現在歯数は平均10.9本, 義歯の使用は約80%であった. 歯科治療の必要性は約45%に見られた. 口腔清掃は35%が不良であり, 口腔清掃状態は義歯清掃状態, カンジダ菌数, 歯磨き回数のほか, 口唇閉鎖力とも関連していた. 現在歯数が多くなればなるほど咬合力が向上した. 現在歯数が1 ~19本の人は無歯顎の人より歯科治療 (義歯調整も含む) の必要性が高かった. ADLの低い人ほど歯科治療の必要性が高かった. 【結 語】 通所施設利用者の口腔を健全に維持していくために, 口腔衛生指導, 口腔機能訓練, 歯科治療体制の整備が必要である.
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© 2009 北関東医学会
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