2011 年 61 巻 4 号 p. 543-548
【目 的】 介入プログラム終了後に行った利用者と職員からの意識調査から集団的アプローチによる口腔体操の継続とその支援のあり方を検討する. 【対象と方法】 介護通所施設において集団的アプローチとしての口腔体操を6ヵ月間介入した後に, 利用者 (n=15) と指導した職員 (n=22) に調査を行った. 利用者には口腔体操の感想と今後の継続意向に関する聞き取り調査を, 職員には体操内容や利用者の変化等について無記名のアンケート調査を行った. 調査期間は2009年9月である. 【結 果】 利用者の多くは口腔体操について「ふつうだった」と答え, 自ら取り組むのは難しいが, 通所施設の仲間と一緒なら続けたいと答えた. 口腔体操を指導した職員の約半数は楽しかったと答え, そう回答した職員は利用者も楽しそうだったと捉え, 利用者の変化について多くの気づきが認められた. 【結 論】 利用者が口腔体操を継続するためには, 職員のモチベーションを高めることが不可欠であり, 職員が置かれている現状を考慮し, 現場に即したプログラム作りが大切である.