北関東医学
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原著
がんサバイバーがセルフヘルプグループでの活動を通じて新たな役割を獲得するプロセス
室田 紗織武居 明美神田 清子
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2013 年 63 巻 2 号 p. 125-131

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抄録

【目 的】 がんサバイバーが, セルフヘルプグループ (SHG) での活動を通じて, 新たな役割を獲得するプロセスを明らかにする. 【対象と方法】 SHGで活動するがんサバイバー10名を対象に, 半構成的面接を行い, M-GTAの手法を用いて分析を行った. 【結 果】 がんサバイバーがSHGでの活動を通じて新たな役割を獲得するプロセスは, 『他のがんサバイバーへ抱き始める関心』から始まった. 『がんサバイバーからの享受と相互作用の実感』を得ながら活動を継続していく中で, 『社会のために活動する役割意識』へと向かっていた. また, 「がんゆえに生じる恒久的な苦悩」が影響していた. 【結 語】 がんの恩恵を見出すことが新たな役割を得るために欠かすことができないステップであった. またがんサバイバーは, SHGの情報提供機能を求めていた. そのため看護師は, 他のサバイバーとの相互作用を高める関わり, SHGが的確な情報提供の場になるような支援を行うことが求められる.

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© 2013 北関東医学会
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