抄録
【背景と目的】 群馬大学大学院医学系研究科臓器病態外科学教室では, 悪性度が低い尾側膵の腫瘍に対しては, 脾臓温存尾側膵切除 (SPDP) を行ってきた. 用手補助腹腔鏡下 (HALS) SPDPを経て完全腹腔鏡下 (PL) SPDPに移行して6症例行ったので, 手術手技と成績について報告する. 【対象と方法】 対象は膵体尾部に発生した低悪性度の膵腫瘍である. PLSPDPを行った6症例について手術の適応と手術手技について述べ, 手術時間, 出血量, 合併症, 鎮痛剤投与量, 在院日数等について検討した. 【結 果】 手術時間は平均で5時間31分. 出血量の平均は302mlであった. 術後の合併症としてGrade Bの膵液漏が1例と虚血性腸炎が1例みられた. 術後疼痛緩和のための塩酸モルヒネ量は平均12.6mgであり, 術後平均在院日数は21.3日であった. 【結 語】 HALSを先行導入してからPLに移行することで, 技術的に難易度が高いPLSPDP手技を大きな問題なく施行することが可能であった.