北関東医学
Online ISSN : 1881-1191
Print ISSN : 1343-2826
ISSN-L : 1343-2826
総説
糖代謝研究からシグナル伝達研究へ
- ATP, スフィンゴシン1-リン酸, そしてプロトン -
岡島 史和
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 67 巻 2 号 p. 97-107

詳細
抄録
本総説では私の40年間におよぶ研究をまとめた. 私は1973年に北海道大学薬学部の大学院生として研究活動を開始し, 2年間の米国でのポスドクを経て, 1981年から1986年まで助手 (助教) として研究を行った. その間の最も重要な発見はアデニル酸シクラーゼ系に連関した受容体系と同様にCa2+ 動員性受容体系にもGTP結合タンパク質が介在しているというものである. その後, 群馬大学に赴任し, 助教授 (准教授), 教授として細胞外シグナルリガンドとしてのATP, スフィンゴシン1-リン酸 (S1P), そして, プロトンの研究を行った. 受容体リガンドとしてのプロトンは必ずしも最初の発見とはいえないが, ATPやS1Pが細胞外シグナル分子であるということは当時としては新しい発想であった. これらの研究の中で, S1Pが高密度リポタンパク質 (HDL) 中に濃縮して, HDLの抗動脈硬化性の様々な作用を仲介しているという発見は国際的にも広く認められている. 一方, プロトン研究は比較的新しく多くの課題が残されたままである.
著者関連情報
© 2017 北関東医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top